「次世代リーダーにふさわしい人」とは?|発掘・新卒中途採用・選抜・育成

昨今,多くの企業で「次世代リーダー」を発掘し,重点的に育成する「選抜育成」を実施するものの,実際に取り組みを進めていく中で,「組織を牽引する次世代のリーダーが不足している」,「自社の将来を担うリーダーがなかなか育たない」,「次世代のリーダーの育成に取り組んでいるが,このままで良いのだろうか」といった課題や問題意識を抱えている企業が少なくありません。

グローバルな競争がますます激化する中で,組織や事業を牽引する真のリーダーの存在が極めて重要であると同時に,不確実性の高い市況では,先行きが不透明な未来を読み解き,方向性を示すリーダーの質が今後の企業の競争力を大きく左右するといっても過言ではありません。そのため,多くの企業で,真の次世代リーダーの発掘,育成が経営上の重要な課題の一つとなっています。次世代リーダーは,企業の成長,発展を担う存在であり,真の次世代リーダーを確保できるかどうかは,企業の盛衰を左右といえます。

それでは,そもそも「次世代リーダー」とはどのような人材を意味するのでしょうか。

求められる次世代リーダーとは?
現在の変化の激しい不透明な経営環境においても,以前と変わることなくダントツな成果を出し続ける人財=真の次世代リーダーとは、いったいどのような「人財」なのでしょうか?また,その他のメンバーとは何が違うのでしょうか?

変化の激しい不透明な経営環境でビジネス(稼ぐ)を推進するためには,従前の本社スタッフ的なスキル・能力と,最前線で勝負に打ち勝つビジネスの感性を兼ね備えていることが大切となります。シンプルに言い換えると,「企画力」を持ち合わせ,「実行力」に秀でた人財ということになります。つまり,ビジネスの最前線にいながら新しい企画を創出し,自らが企業を引っ張って行く能力のある「人財」です。

このような人財が真の次世代リーダー=「StarPerformer」の候補となり,その役割を担える人財となるのです。

◆ビジネスパーソンの役割の変化

ビジネスパーソンの役割の変化

◆次世代リーダー(StarPerformer)の資質

次世代リーダー(StarPerformer)の資質

人事部門の使命
これらの人財をいかに発掘するか,そして発掘できたならば,他の企業に奪われないように間違いなく採用,または,維持し,最適な配置・配属となるような活躍の場を与え,どれだけ早くビジネスリーダーに育てるか…このことに企業の命運,そして日本再生の命運がかかっているといっても過言ではありません。

それらの人財をビジネスプロデュースでは,星のごとく輝くダントツの実力者「StarPerformer候補」,つまり「次世代の真のビジネスリーダー」と位置づけ、彼らを発掘する手法としてESP(The Evaluation of StarPerformer)診断を,そして,企業の継続的な発展に繋がるソリューションをご提供しています。

これらの「StarPerformer候補」「次世代の真のビジネスリーダー」達を,発掘・採用・開発し,いかに活躍の場を与え,StarPerformerとして,その芽を開花させるかが,競争力を高め,不確実性の時代を生き残る上で最重要の経営課題と言えます。そして,これは将来キャッシュフローを創出するための基盤作りをミッションとする人事部門の本質とも等しいものなのです。

市場価値基準での評価
経営環境がより複雑化する中で,人材価値の階層も多層化しており,これまでのように社内基準による身内での「どんぐりの背比べ」的評価では,人材価値を見極められなくなっています。特に企業競争力の源泉が人財となっている現在においては,社内でどれだけ優秀かというよりも,競合他社や市場全体を見渡してどれだけ優秀かを見定めることが重要なのです。つまり,社内価値基準での評価から市場価値基準での評価へのシフトが求められています。

市場価値基準での優秀人財こそが真の次世代リーダー=StarPerformerであり,図表1-1のイメージのとおり,企業に対して高い競争力と飛躍的な成長力を与えるとともに,極めて高いコストパフォーマンスをもたらすのです。
ESP診断はこのような市場価値基準による診断システムです。

図表1-1 社内価値基準からの市場価値基準へのシフト

社内価値基準からの市場価値基準へのシフト

ESP診断は,真の次世代のビジネスリーダー=「StarPerformer」に成長する可能性のある人財を早期発見・発掘します。社内価値だけでなく,市場価値に基づいた「次世代のビジネスリーダーとしてのビジネスの感性があるかどうか」に特化しています。

真のビジネスリーダーの重要性
能力の低い管理職が,その年俸の24倍の損失を会社に与えることは前述(「採用していい人とは?」)したとおりです。採用関連費用も大きいですが,何より判断ミスによる損失が最大と言えます。
また,マッキンゼー・アンド・カンパニーで能力が低いとされる「Cクラス社員」について,以下のように述懐しています。
リーダー・管理職は会社や社長に勝る。ボトムアップの発想を否定するわけではないが,直属の上司の影響力はそれだけ絶大なものだ。直属の上司は,職場環境を決定づけ,部下をコントロールするからだ*1。
Cクラス社員をリーダーにしておくと,全体の評価基準が下がってしまう。実績主義の文化を築きたい組織には危険な行動である。Cクラス社員はCクラス社員を雇い入れ,その職位にいるだけで周囲の人々の士気を下げる。そんな企業は有能な人材にとって魅力を失い,経営陣はその判断力を疑われる*2。

*1 Marcus Buckingham and Curt Coffman. First, Break at the Rules(New York: Simon & Schuster, 1999)
*2  Beth Axelrod, Helen Handfield-Jones, and Ed Michaels, “A New Game For C Players”,Harvard Business Review 80, no.1(January 2002)

このように能力の低い人材をリーダーにしておくだけで,企業は莫大な損失を支払うことになるのです。逆に,優秀人財,StarPerformer候補を選抜し,リーダーにすることができれば,その部門の生産性は飛躍的に高まるともいえるのです。

StarPerformerを次世代のビジネスリーダーに
どのような優良企業においても,StarPerformerが出現する可能性は,それほど高いものではありません。それほどに,StarPerformer候補は貴重な存在と言えます。
しかしながら,多くの企業では,いまだ年功序列的な昇進となっており,貴重なStarPerformerをリーダー職に就けず,むしろCクラス社員のリーダーの下に就けるというケースが往々にして見られます。さらに,そのことが企業にとっては損失となっていること,成長の可能性をついばんでいることに気がついていない経営者が多いのも事実です。

ここで一つの事例を紹介します。
(弊社では,ESP診断を用いた採用戦略だけでなく,様々なソリューションを提供し,組織改革,経営改革を行っています。)
事例企業では,ESP診断の結果に基づいて,戦力の再配置を実行しました。具体的には,ESP診断の結果によるビジネスリーダーとしてのビジネスの感性があるかどうかの課題のあったA支店の支店長を,よりビジネスリーダーのビジネスの感性が高い支店長に交代させるという人事異動を行いました。
その結果,支店長以外には,新戦力投入等の支店人員構成変化はなかったものの,支店の生産性(一人当たり売上高)が,人事異動後3ヶ月で30%以上,6ヶ月で約50%も向上しました。
ビジネスの感性が高いリーダーが組織を率いることによって,部門の生産性が著しく高まることが明らかとなりました。
また,同時にESP診断の有効性が証明されたと言え,さらにビジネスの感性が非常に高いStarPerformerが支店長につくことで,より一層の生産性向上が図られました。

ESP診断結果に基づいて,高いビジネスの感性を有する人財をビジネスリーダーに配置・配属する戦略が,企業の競争力および生産性の向上に確実に貢献するものと確信しています。

StarPerformerには良いマーケットを
これまでは,個人のビジネスの感性に基づく最適な配置・配属について述べてきましたが,ここでは相対する市場・マーケットについて検証します。
前述(「採用していい人とは?」)のとおり,「高いポテンシャル×高いセンス」※1を有する人財=ビジネスの感性が非常に高いStarPerformerは,ゼロベースから自分でビジネスの方程式を立てることができるという特徴を持っているため,新規事業や成長市場でのビジネスに向いており,そのマーケットの中で最大の成果を発揮します。
また単に成果を発揮するだけでなく,新規事業や成長市場でのビジネスにおいて,考えても見なかった新しい可能性を企業にもたらすこともできるのです。

逆に「高いポテンシャル×低いセンス※1」の人材については、どちらかというと所与の環境下で競争して力を発揮するタイプと言えるため,新規事業や成長市場というよりは,成熟した市場でのビジネスを任せることが適した配置と言えます。

※1 ビジネスの感性があるかどうかに基づいた人材の4タイプ(「高いポテンシャル×高いセンス」最優秀人財,「高いポテンシャル×低いセンス」優秀人材,「低いポテンシャル×高いセンス」人材,「低いポテンシャル×低いセンス」人材)については,こちら(「採用していい人とは?」)

下図1-2に示す,ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)で考えると、この最優秀人財と優秀人材の2タイプの最適な配置・配属は以下のようになります。

図表1-2 プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

スター事業:「成長性」高×「強み」高
•先行者利益を享受できる事業であり,市場の成長に合わせて大きな利益を得られる
•近い将来の収益の柱となる事業
•成長事業であるがゆえ,新規参入者のアイデアに負けないよう絶えずビジネス革新が必要

金のなる木事業:「成長性」低×「強み」高
•成熟市場でNo1またはNo2であり,企業の収益の柱となっている事業
•近い将来,コモディティ化し衰退する畏れ
•この事業で得たキャッシュフローをスター事業または問題児事業に投資し,次の柱を育てる

問題児事業:「成長性」高×「強み」低
•魅力的な市場だが自社には十分なノウハウがない発展途上のビジネス
•投資してスターを目指すか,撤退するか見極めが必要

負け犬事業:「成長性」低×「強み」低
•何のうまみもないビジネス
•早急に撤退の意思決定をすべき事業

「スター」のビジネスに「高いポテンシャル×高いセンス」=StarPerformerを配置する(またはリーダーとするチーム)ことで,事業を確実に収益の柱に育て上げる可能性が高まります。また,「スター」として定義された市場だけでなく,関連するマーケットにも展開し,想定以上のビジネスインパクトをもたらすことも期待できます。

「金のなる木」には,「高いポテンシャル×低いセンス」を配置することで,安定的な収益を稼ぎ出すことができます。StarPerformerを配置しても,期待する成果をあげますが,それほど成果に差が出ないとも考えられるため貴重なStarPerformerの無駄遣いにも繋がります。

「問題児」事業に投資する意思決定をした場合,StarPerformerが最適です。スターの事業に育つ可能性を十分に期待できます。逆にStarPerformerがいない場合は,当該事業からは撤退する判断をすべきです。

「負け犬」事業は撤退事業ですが,仮にこの事業にStarPerformerを配置してしまった場合,折角のStarPerformer候補もやる気を失い,離職の道をとると思われます。赤字事業を継続する以上に,優秀人財の流出という大きな痛手を負うことになります。
これがESP診断を活用した,事業・マーケットの最適な配置・配属戦略です。

面白くやりがいのある仕事
前述(「採用していい人とは?」)のとおり,StarPerformerを維持するためには,彼らに面白くやりがいのある仕事を与え続け,光り輝く場面を提供することが何よりも重要です。
そのためには,職位だけでなく担当する事業分野・マーケットも含めた適材適所を図ることが必要です。弊社がと提供するソリューションの数々は,人材における経営課題の判断を行うための最適なソリューションであると確信しています。

StarPerformer開発戦略
ESP診断の結果,「ポテンシャル×センス」が非常に高い優秀人財であることが判明したからといって,StarPerformerであるとは限りません。あくまでStarPerformer候補であり,真のそのパフォーマンスを開花させるためには,当然ながら人材育成・開発が必要となります。
しかし,やはりここでも従前の「公平原則」に則った人材開発を行ってしまうと,ビジネスの感性が非常に高い優秀人財はその花を開かせるどころか,つぼみのまま腐ってしまう,または離職してしまうという最悪の結果を導いてしまうことにもなりかねません。

「CEOの最大のミッションは,次のCEOを育て選ぶこと(ジャック・ウェルチ)」というように,幹部候補の育成に関して,GEグループは膨大なコストを投じて,世界中に存在する社員に常に目を光らせ,有望な候補がいれば,グローバル本社がその開発プランを練り上げるという徹底した幹部候補育成プログラムを運用しています。
この幹部候補育成プログラムの基本思想が「ストレッチング」です。幹部候補者には,本人の現有能力の120%程度の重責を与え,それを支援しつつ何とか達成させることで,幹部候補者の限界値を上げていくという考え方です。
したがって,候補者にノミネートされると,2~3年ごとに,全く経験のない事業や部門にリーダーとして異動し,極めてストレスフルな状態で部下をリードし,チームとして成果をあげることを求められます。そして,成果をあげたら,またさらに120%の重責を負うポジションに異動となるのです。このように昇進を続け,最終的にはCEO候補者となるのです。逆に,支援にも関わらず,成果をあげられなければ,その時点で候補者脱落となってしまいます。

StarPerformer候補である「高いポテンシャル×高いセンス」を有した人財にも,同様のストレッチングが人材開発プランとしては,適切です。ストレッチングにより,このビジネスの感性が非常に高い人財本人もまだ気付いていない潜在能力を引き出すことが可能だからです。そして,その力こそが企業の収益の源泉となるのです。
このプランは,確かに候補者に相当の精神的負担を強いるものです。しかし,この人財はそれを受け入れる資質をすでに有しています。逆に,社員を過度にかばうような「ぬるま湯」的体質こそ嫌うような人財です。したがって,つらいながらも,むしろ喜んでストレッチングな仕事に取り組むはずです。

問題は,GEグループのような抜擢人事を企業側が取れるかどうか,その勇気があるかどうかにかかっています。それができなければ,あなたの企業では,優秀な人財を最大活用することはできず,せっかくのStarPerformer候補も離れていってしまいます。おそらくは,これまでも,そのような理由で多くの優秀人財を手放してしまった経験があるのではないでしょうか?

以上のように,弊社は独自理論を背景に,組織力強化のための人財の発掘・育成,そして,企業が継続的に成長するための人財・組織戦略,経営戦略支援事業を行っています。お客様から高い評価を頂戴し,この独自理論をさらに高度化するために,StarPerformerの可能性を持つ人を確実に抽出する手法として,市場価値基準での現役でダントツの実績を上げているトップビジネスパーソンたちの「思考パターン」や「行動パターン」を分析しています。
先行きの見えないこの時代に,「企画力」を持ち合わせた「実行力」に秀でた人財,ビジネスの感性が非常に高いStarPerformer候補を発掘することが,貴社の競争力強化,そして,経営革新に繋がります。弊社は,採用から組織改革まで,人財が活躍できる企業作りに最適なソリューションをご提供できるものと確信いたします。

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