【社長通信】社員の危機意識

最近、経営層の方々から“どうやったら社員に危機意識を持たせられるか?”の ご相談をよく持ちかけられる。

はっきり言って経営者と同質の危機意識を持てと言っても不可能だと思う。 一方経営者は会社を存続させるために必死なので危機感は頭から離れることはない。

最大の違いは経営者(特にオーナー経営者)は資金を自腹で出している、もしくは 自腹で出している感覚を持っているのに対し、社員はそうでないのが決定的な違いだ。

これらの違いを十分認識した上で、意識を合わせる取り組みをしないと 的外れな結果につながりかねない。 雇用主と雇用者の温度差は永遠のテーマである。

部門別に決算書を作ってこれらの意識をあおるやり方もあるが、 結局は社員が自腹を切るわけではないので限界がある。

とどのつまり、危機感を一律持てということではなく、 社員一人一人が経営者と同じくらいの危機感を持って 与えられた職務に取り組めということだと思う。

管理職以上は会社の決算書(赤字ならなおのこと)を見てどう感じ、危機感を持つか 管理職以外は会社の将来性に対して安心感を持たせ、一方厳しい目標設定を課し、 達成できなければ何らかの対処をしていくことなのだろう。

いずれにしても経営者が一人で危機感を持っても限界がある。 大切なのは役職や立場に応じた危機意識の持たせ方の質を どう醸成し、共有できるか、そして一体感がもてるかということだと思う。