「最適な人員のデューデリジェンス」とは?|市場競争力強化・人事制度構築

近年日本でも新規事業や市場への参入,企業グループの再編,事業統合,企業救済,資金手当て等を目的としたM&Aが主要な経営手法・経営戦略の一つとなっています。
2015年度に日本企業が海外企業に対して実施したM&Aが,件数,金額ともに2014年年度を上回り過去最高となりました*1。件数は前年度比6.9%増の591件,買収総額は2.8%増の8兆1939億円。国内需要が低迷する中,買収で海外市場に活路を見いだす企業が目立ちました。
このように企業の買収合併は年々増加傾向にあり,特に最近では国外における競争力強化,マーケット拡大に伴う生存競争と事業拡大のために用いられ,規模も拡大傾向にあります。

日本企業のM&Aの動機として多いのは,「国際競争力強化」「国内市場競争力強化」「破綻企業再生」です。一次的な目的は, 新たな巨額投資のための整備, 市場占有率の向上, 新たな技術の獲得, 事業シナジーの獲得等ですが, その結果としてどのような目的のM&Aにあっても,「企業価値の向上を実現するための組織文化の統合」が必須です。そのために対象なる企業の事業の価値やリスク,法務や財務,ビジネス等様々な観点で精査・検証するプロセスの中で,ヒト=人事面に特化した査定(財務面と非財務面の両方)=人事デューデリジェンスを実施することは,最大の課題といっても過言ではありません。組織再編後, その成功要因と失敗要因を見てみると, 失敗要因として組織人事に関わる統合の失敗が非常に多く見受けられます。 人事的な制度や仕組みの統合, 組織文化・風土の統合, 部門間や個々人間のコミュニケーションの問題等が挙げられます。人と組織の状態を正確に把握し,戦略的に分析することなしにしてM&Aを成功に導くことはできないと言っていいでしょう。

当社が提供する人事デューデリジェンスの特徴は,定量的な財務面だけでなく,定性的な人事方針や人事制度,組織文化を調査し分析,そして,最短で売上を上げるための強い組織を構築すること,中長期的に売上を伸ばし続けられる組織を構築すること=「あるべき姿」の組織戦略を立てることです。当社の長年に渡る人事コンサルティング・営業コンサルティングの経験を活かし,ビジネスで勝つデューデリジェンスを行います。

特に,社内価値基準で人材を評価するだけでなく,市場価値基準で人材を評価することができることは当社が持つソリューションの強みでもあります。

能力の低い管理職が,その年俸の24倍の損失を会社に与えることは前述したとおりです。マッキンゼー・アンド・カンパニーで能力が低いとされる「Cクラス社員」 について,以下のように述懐しています。 リーダー・管理職は会社や社長に勝る。ボトムアップの発想を否定するわけではないが,直属の上司の影響力はそれだけ絶大なものだ。直属の上司は,職場環境を決定づけ,部下をコントロールするからだ*2。 Cクラス社員をリーダーにしておくと,全体の評価基準が下がってしまう。実績主義の文化を築きたい組織には危険な行動である。Cクラス社員はCクラス社員を雇い入れ,その職位にいるだけで周囲の人々の士気を下げる。そんな企業は有能な人材にとって魅力を失い,経営陣はその判断力を疑われる*3。
このように能力の低い人材をリーダーにしておくだけで,企業は莫大な損失を支払うことになるのです。逆に,優秀人財・StarPerformer候補を選抜し,リーダーにすることができれば,その部門の生産性は飛躍的に高まります。事実,当社の組織改革によりリーダーをビジネスの感性が高い人財に変えたところ,その部門の売上高が3ヵ月で33%向上,6ヵ月で49%向上しました。部門の生産性が著しく高まり,さらには企業の競争力強化の向上に確実に貢献したものと確信しています。

ビジネスの感性が非常に高い=市場価値基準でのStarPerformerには,何より良いマーケットを与えるべきです。ポテンシャルが非常に高く×ビジネスにおけるセンスが非常に高いこの人財は,ゼロベースから自分でビジネスの方程式を立てることができるという特徴を持っているために新規事業や成長市場でのビジネスに向いており,そのマーケットの中で最大の成果を発揮します。また単に成長を発揮するだけでなく,新規事業や成長市場でのビジネスにおいて,考えてもみなかった新しい可能性を企業にもたらすこともできるのです。

M&Aによる市場競争力強化上,極めて重要な組織戦略強化において,リーダーの選抜,将来を見据えた経営視点を持った市場価値基準での優秀人財の選抜とこの優秀人財を育てていく仕組みを持つことは経営の最重要課題の一つです。

このように最適な人材配置を実現するためには,様々な手法を戦略的に組み合わせる必要があります。例えば,合併後のポストと削減とポストオフに関しては,人事異動を適正な基準で行うための人材アセスメントの精査・導入,優秀人財・StarPerformerの発掘・配置。これらの人事制度の構造をグループ会社で共通化,具現化する必要があると同時に人事処遇格差への合理的な配慮や適切なコミュニケーションプランの作成も重要になってきます。事業環境や組織構造が大きく変化する局面では,従前の人事評価では十分に評価できず,また,特に合併後の組織においては,これまで異なる評価の基準・運用をしてきた評価者が同一目線で被評価者の思考・行動特性を評価することは非常に困難です。

当社では,経営・組織戦略を実現するための適正な人材アセスメントを組み合わせ,多角的な観点でご提案します。「経営戦略」「営業戦略」「組織戦略」「採用戦略」に精通しており,市場価値基準での優秀人財・StarPerformerの分析,リーダー等の知見とデータ,企業価値を最大化するための人事全般の設計と運用の経験・ノウハウを蓄積しています。

当社は独自理論を背景に,組織力強化コンサルティングを事業として,先行きの見えないこの時代に,「企画力」を持ち合わせた「実行力」に秀でた人財,ビジネスの感性が高い真のビジネスリーダー=StarPerformer候補を早期に発掘し,企業の競争力強化,そして,経営革新に繋がる改革を行って参りました。当社は人財が活躍し,持続的に成長できる企業作りに最適なソリューションをご提供致します。

*1:M&A助言会社のレコフの調べ
*2: Marcus Buckingham and Curt Coffman. First, Break at the Rules
(New York: Simon & Schuster, 1999)
*3: Beth Axelrod, Helen Handfield-Jones, and Ed Michaels, “ A New Game For C Players ” , Harvard Business Review 80, no.1(January 2002)

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